3 節, 4 節の一般角に対する
加法定理の証明は、 ずつ増やしていく形の証明だが、
これ以外にもやり方はあり、
例えば高校の教科書に載っている単位円周上の 2 点と原点がつくる
三角形の方法に少し考察を加えることでも任意の一般角に対する
証明を行うことは可能だろう。
また、5 節の複素数版の加法定理の証明は、 複素変数を使わずに実数部分、虚数部分に直した形での直接証明であるが、 複素関数論の本では (7), (8) の 上の複素指数形の表現式を使用し、先にその複素指数に対する指数法則を示し、 それを利用して証明するのが普通であろう。 本稿では複素変数関数の話は避けて、少し煩雑な計算を示したが、 逆にあまり本では見ない計算かもしれない。
6 節の多項の加法定理も通常本などには書かれていないが、
で表現するよりも
で表現する方が見通しが
よいという所は多少面白いかもしれない。
竹野茂治@新潟工科大学