,
に対して、後で「不変領域」として使用する
次のような領域を考える。
なお、本稿ではこの
,
は、
ある
に対して
,
であるもののみを考える。
であれば任意の
,
(
) に
対してそのような
が常にみつかるが、
の場合はそうとは限らないことに注意せよ (本稿では、
に関する条件として
は仮定していない)。
領域
に
が入る条件は、
,
で考えると
(
) なので、
この不等式は
の範囲のみで意味を持ち、
よって (14) は
と書くこともできる。
この領域は、
,
,
の座標軸では、それぞれ
図 1
3 のように
なる (厳密な図ではなく、おおよその図)。
これらの図からもわかるが、
,
座標系での
、すなわち
上の線分は、
本来の
である
座標系では原点 1 点に対応することに
注意する。
今、この領域
での固有値の絶対値の上限を、
と書くことにする:
での
の最大値は、

での最大値に等しく、
よって
は
となることがわかる。例えば
,
(等エントロピー) の場合は、
ならば
より
ならば
より
は単調とは限らず、
よって、(17) は (18), (19) のような易しい式
になるとは限らない。
最後に、6 節で利用する以下の性質を示しておく。
は、
の座標系では凸図形、すなわち、
で、証明は下に凸、
は上に凸。
は
なので、

だから
この曲線は上に凸となる。
も
なので、
竹野茂治@新潟工科大学