4 周期の構造

基本周期を持つ周期関数の周期全体は、次のような形になる。

命題 4.1

証明

$T_0$$f$ の周期なので、$T_0$ の整数倍も $f$ の周期であり、 よって $T_0$ の整数倍はすべて $A$ に含まれる。

逆に、$T_0$ の整数倍ではない周期 $T$ が存在すると、 $T/T_0$ は整数ではないので、

$\displaystyle \frac{T}{T_0} = m + q,\hspace{0.5zw}\mbox{$m$\ は整数,\hspace{0.5zw}$0<q<1$}
$
と書けるが、$T=mT_0+qT_0$ となり、$T$, $T_0$$f$ の周期なので、
$\displaystyle f(x+qT_0) = f(x+T-mT_0) = f(x-mT_0)=f(x)
$
となり、よって $qT_0$$f$ の周期になる。$0<qT_0<T_0$ なので、 これは $T_0$$f$ の最小の正の周期であることに反する。 よって、$T_0$ の整数倍ではない周期 $T$ は存在せず、 $A = \{nT_0;\ \mbox{$n$\ は整数}\}$ となる。


竹野茂治@新潟工科大学
2025-05-29