に関する場合分けをして考えていく。
本節では、まず
で
が正則、すなわち
が存在する場合を
考える。
この場合、(4) は、
と変形できる。
の分布関数
は、
、
および
の密度関数
を用いてこれは、
の形に書くことができる。
この積分を (11) で変数変換すると、
そのヤコビ行列式は、

は
の絶対値とする。
を
で微分したものが
の密度関数
となるので、
となる。よって、
が独立であることは、
この
が、各
の関数の積に書けることと同値になる。
(9) より、
となるが、
の関数の積になることは、
となるすべての
に対して
の係数
が 0 になることと同値になる。
そしてそれは、
より、
の列ベクトル
が
互いに垂直であることを意味する。
この場合はこれが
の独立性の条件となる。
この
の列ベクトル
に関する条件を、
元の行列
に関する条件に書き直す。
行列
が
で、その逆行列を
とし、
が互いに垂直であることと、
が互いに垂直であることは同値。
証明
より
となるから、
は
以外の
すべてに垂直、
は
以外の
すべてに垂直、となる。
よって、今
が互いに垂直であるとすると、
となり、
と書け、
となる。よって、
(
) は
互いに垂直となる。逆も同様。
この命題 1 より、
の列ベクトルの垂直性は
の行ベクトルの垂直性と同値になる。
結局、
が正則な場合は、
が独立であることは、
A の行ベクトル
が
互いに垂直であることが条件となる。
例えば、
の場合、
が独立であり、
,
で
の場合、
が独立であることは、
と同値となるので、
と
は独立、
と
は独立だが、
と
は独立ではない。
竹野茂治@新潟工科大学