3 条件 I
線形代数学で、次の事が知られている。
- 定理 1.
-
が
行列、
が
行列のとき、
は
行列で、その行列式は
となる。ここで、
は
の
列からなる小行列、
は
の
行からなる小行列。
まず、条件 I を考える。
は
行列、
は
行列で、
(6) が成り立つとすると右辺の行列式は 0 でないので、
よって定理 1 より
(8)
でなければいけないことがわかる。
また、
の
成分を
とすると、
(9)
となるから、その対角成分は
(10)
となる。よって、(6) が成り立つならば
(11)
であることになる。
逆に、(8) と (11) が満たされると (6) が得られることを次に示す。
(8), (11) より、
に対して、
となるので、
となるのは
のときのみ。
よって、
の成分は、対角成分は (10) より
に等しく、
のときは (9), (11) より、
となる。よって、(11) より、
となって (6) が得られる。
すなわち、
条件 I は、「(8) かつ (11)」
であることがわかる。
竹野茂治@新潟工科大学
2025-07-25