普通の関数の場合、周期 のフーリエ級数は、以下のようになる。
ここにあるように、フーリエ係数は周期区間 での積分であるが、
一方超関数のテスト関数との内積も普通の関数の積分に対応しているので、
に対しても、
(7)
や
をテスト関数 (内積の対象) とする
の
元に対して、
での積分を行うために用いられるのが、
の周期性と「1 の分解」である。
ここでは、次のような性質を持つ関数
を 1 の分解 と
呼ぶ。
(8)
また、図 2 (b) は、3 つ以上の の値が重なって 1 となる
ようなものを示しているが、そのような
は、以下のようにして構成できる。
まず
を、
で [T,2T] では
で
あるようなものと取る。そして、
1 の分解は、 を
の幅で切って積み上げると丁度 1 になる、
という形になっている。
これを利用すれば、周期
の普通の関数
に対し、
これと同様に
に対して、
周期積分
を
(9)
なので、(9) の右辺の値は決まるが、
この右辺の値が 1 の分解
の選び方によらないことを示す必要がある。
今、 とは別の 1 の分解
を取ると、
,
に対し、
一つ小さな命題を紹介する。
任意の
,
に対し、
その内積は周期積分を用いて
(10)
(11)
これは、さきほどのものとほぼ同様の議論により、
が
で
となる場合は
である。
また、
で
であることと、
任意の
に対して
となることは同値。
証明
まず
は、
この周期積分により、
に対する
フーリエ係数
,
が以下のように定義される。
(12)
に対しては、
(13)
竹野茂治@新潟工科大学