5 オイラー方程式の解
さて、微分方程式 (8) に戻ると、変数分離により、
となるので、この解は
、すなわち、
であることがわかる。
よって、これにより
となるような解を作るには、
その 2 つのグラフをつながるようにつないで、
 |
(14) |
とすればよい (図 4)。
あとは、この右端の
が
となるか、
すなわち
に対して、
 |
(15) |
となるような定数
が常に一つ求まるかどうかを示せばよい。
例えば、均質な (2) の場合には、
は
(11) であったから、
確かに
である任意の
に対して
となる
(
) がただ一つ求まり、そこから
により
が求まってくれる。
一般の
の場合にも、
次の命題 1 のように同様のことが成り立つことを示せる。
- 命題 1.
-
(12) の解
に対し、
 |
(16) |
を
の関数
と見ると、
は
に関して増加関数であり、
となる。
この命題 1 の証明は 8 節で行うが、
これにより
が
に関して
から
への 1 対 1 の関数であることになり、
よって (15) を満たす
が任意の
に
対して一つだけ求まることになる。
そしてそれによる (14) がオイラー方程式の解を与える。
竹野茂治@新潟工科大学
2017年2月24日