4 累次積分を順に計算
前節で求めた公式を用い、
(2) の累次積分を順に計算する。
(2) の内側の積分を
と書くと、
(4) により、
となる。この最後の 3 項の
での積分をそれぞれ
,
,
と書くことにすれば
と
なる。これを順に考える。
まず
は、再び公式 (4) により、
となる。
は、部分積分により
を消せば積分でき、
と書ける。ここで、
(8)
よりさらに、
と求めることができる。
あとは
であるが、これも部分積分により
を消すと、
となるが、この最初の項は (7) の最後の項の項に等しいので、
(10)
となることがわかる。この (10) の右辺の積分の項を
とする。
この
の被積分関数に (8) を用いて変形すると、
となるので、
は、
と分けられ、
は
に等しく、
は公式 (3) より、
(12)
となる。あとは
を求めればよい。
この
の形の積分にも、目の覚めるような公式
があるのだが([1], [2])、ここではこれを用いることなく、
前に使用した置換 (5) で泥臭く計算してみる。
の (5) を用いれば、
より、
となる。
よって、(11), (12), (13) より
となり (10) より
となるので、結局
は
となることがわかった。
竹野茂治@新潟工科大学
2025-06-20