リーマン不変量は、3.4 節で見たように
各特性方向に 個存在するので、
の場合は 1-リーマン不変量が 1 つ、
2-リーマン不変量が 1 つあるだけである。
これらをそれぞれ
,
とすると、
例えばバロトロピックのオイラー座標系の場合は、
なので、
が滑らかならば、方程式
さて、相空間を を座標系として見るとすると、
は
の積分曲線上一定なので、
相空間上の膨張波曲線
と接触不連続曲線
は
この空間 (平面) 上では
軸に垂直
(
軸に平行) な半直線、または直線となって
見やすくなる。
しかも、必要なら
を
倍しておいて、
バロトロピックのオイラー座標系の方程式の場合は、
ただし、この場合、積分
さらに
次は、バロトロピックのオイラー座標系の場合の、
平面での衝撃波曲線
(および
)
を考えてみる。
これらは、5.7 節で見たように、
は、
平面では
をパラメータとして
同様に、 の場合は、
この場合、そのリーマン問題の解に表われる波は、
,
の位置関係により変わるが、
図 5.12 のように
を中心に
,
を書いたときにそれらにより分割される
4 つの領域のどこに
があるかによって
その波の表われ方が決まる。
が図 5.12 の領域 I に入る場合は、
1-膨張波曲線 (
) と 2-膨張波曲線 (
) によって
と
がつながるので、
と
をつなぐ 1-膨張波、
と
をつなぐ 2-膨張波によって
リーマン問題の解が構成される (図 5.13)。
この
は
と
の交点と見ることもできる。
が図 5.12 の領域 II に入るときは、
と
が (
で) 交わるので、
と
により
と
がつながる。
よって、
と
は 1-衝撃波、
と
は 2-膨張波でつながり、
それがリーマン問題の解となる (図 5.14)。
が図 5.12 の領域 III に入るときは、
と
が交わるので、
1-衝撃波と 2-膨張波でリーマン問題の解が作られる
(図 5.15)。
が図 5.12 の領域 IV に入るときは、
と
が交わるので、
1-衝撃波と 2-膨張波が現われることになる
(図 5.16)。
なお、
(
) のように、
が平面全体でない場合
(図 5.9 参照)
は、
図 5.17 のように
は有限のところで
の境界にぶつかるので、
V の領域に
が入る場合、すなわち
竹野茂治@新潟工科大学