[1] では、
(1) は
, または
かつ
が奇数
のときに収束し、それ以外は発散することを示したが、
(2) の
が実数の場合は、
まず
では
なので、
の近くでリーマン広義積分が収束するためには、
では、
ならば (2) は
絶対可積分 (ルベーグ可積分) であるからリーマン広義積分としても収束し、
では
が奇数のときのみリーマン広義積分は収束していたが、
のときはさらに積分可能性 (収束性) が落ちることが予想されるが、
実は
でもやはり
が奇数であれば
リーマン広義積分可能であることが言える。
その元になるのは次の補題である。
に対し、広義積分
はガンマ関数
この補題は、
の両方の収束性を保証することになるが、[1] で見たように
のときは
の近くで収束しなかったからであり、
では (5) の前者は
の近くでも
積分が収束するためにその有限性の可能性もあることに注意する。
証明
複素積分を利用する。
を
での偏角の主値 (
) とし、
をそれに対する複素対数
の主値
は複素数平面から実軸の負の部分を除いた領域で一価でかつ正則で、
これに対し、
もその主値を取って、
とすれば、これも同じ領域で 1 価の正則関数となる。
今、
に対し、図 1 のように
領域
とその境界である積分路
を取る。
とすると、
は
の内部で正則なので、
コーシーの積分定理により、
上の積分は、
となり、これは
,
の
ときに
になる。
上の積分は、
(
の逆向き) が
(
) で表されるので、
であれば
,
に対して収束し、
となることがわかる。
では、
を
とすると、
より
より
のときに
となることがわかる。
最後に
では
(
) とすれば、
が収束して、
(4) が成り立つことがわかる。
よってあとは (15) を示せばよい。
に対し、
は、
で
,
で
,
なので
の最大値は
で取り、
よって、
は
より、
には無関係で、その積分は
に対し、
竹野茂治@新潟工科大学