が
で表せる場合は、前節の
と同様に
ディリクレ積分に帰着して値が求まるが、
が現れる場合はそうはいかない。
一般に
は、
が奇数であれば
の線形結合で、
が偶数であれば
と 1 の線形結合で表わされる。
よって、
で
が奇数の場合は (9) により
ディリクレ積分に帰着し、よってそれが有限値となることがわかるし、
また、
の場合
は、
が奇数、
が奇数であれば
の線形結合
が奇数、
が偶数であれば
の線形結合
が偶数、
が奇数であれば
の線形結合
が偶数、
が偶数であれば
の線形結合
が偶数の場合は
ディリクレ積分に帰着し、
が奇数の場合は
が
残ることになる。
ここで、
の近くで積分は収束せず、
また
で有界となるように
が残る場合の積分には注意が必要である。
,
に対し、
(
),
に対し、
証明
1.
に対して
で特異性を持たないように変形すると

![\begin{eqnarray*}I_M
&=&
\int_{a}^{b}\frac{1-\cos Mx}{x}\, dx
\ =\
\int_{a}...
...{Mx}\right]_a^b
-\,\frac{1}{M}\int_a^b\frac{\sin Mx}{x^2}\, dx
\end{eqnarray*}](img74.png)
で
なので、
となる。
2.
より
なので、

この補題により、
が残る場合は、
その係数の和が 0 であれば計算できることになる。
以上により、
は、
が偶数の場合は
の有理数倍、
が奇数の場合は
の有理数倍の和の形となることが
期待される。
竹野茂治@新潟工科大学