に対する前節の設定のもとで、
から
だけ外側に離れた曲線
のパラメータ表示を考える。
まず、
での外向き単位法線ベクトル
を
求める。
は
の接ベクトルで、
の
進行方向を向く。
よって
の外側は
の右側になり、
は
を時計回りに
回転したベクトル
と同じ方向を向くので、
の軌跡を
とすると (図 8)、
これが
から
だけ離れた曲線の候補となる。
あとは実際に
と
の距離がすべての点で
となることを
示せばよい。
まず、
が、
で
に垂直なだけでなく、
で
にも垂直であることを示す。
そのためには、
の
での接ベクトル
と垂直であることを示せばよい。
と
は垂直なので、
(9) よりあとは
と
が垂直で
あることを示せばよいが、
なので、
これを
で微分すれば、
がわかる。これで、
が、
で
にも
垂直であることがわかった。
これを用いて、
と
上の点で最短距離に
あるのが
であることを示す。
逆に、
以外に
上に
との距離が
より近い点
があったとする (
)。
もし、
で
が
と
垂直でなければ、
の付近で、より
に近い点が
取れることになるので、そのようにしてより近い点を探していけば、
最後にその付近では
と最も近い
上の点
が
取れて、
では
が
と
垂直になるはずである。この
を改めて
とする (図 9)。
すなわち、
となる (
)。一方、前に示したことにより、
で
と
は
垂直なので、
,
,
は一直線上に
あることになるが、(10) および
よりその位置関係は、
が線分
の上にあるか、または
が線分
の上にあるかのいずれかとなる。
前者の場合は、
が、
で
に外接する
半径
の円の中に含まれてしまうことになるので、
それは曲率に関する仮定 (6) (の下に書いたこと) に
反することになる。
また、後者の場合は、
と
の距離は
で、
は
での
の外向きの法線の上にあることになる。
となればやはり
が、
で
に外接する
半径
の円の中に含まれてしまうことになるので、
同じ仮定 (6) (の下に書いたこと) に
反することになる。
よってそれらはいずれも起こりえず、
結局
と
上の点で最短距離にあるのが
で
あることがわかり、
すなわちすべての点で
と
との最短距離が
で
あることが示されたことになる。
竹野茂治@新潟工科大学