実数全体で定義された区分的連続関数 が周期
(
) を持つ周期関数であるとは、すべての
に対して
が
成り立つこと。
なお、 が区分的連続関数とは、
の不連続点集合
が
離散的、すなわち集積点を持たず (収束する点列を含まない)、
の各点
で、両側の極限値
しかし、定義 1 は、 通常の周期関数の定義とは若干異なる部分もあるので、注意が必要。
まず、[ア] の に関しては、
定義 1 を以下のいずれかのように変えれば解消できる。
実数全体から離散的な点を除いて定義された関数 が
周期
(
) を持つ周期関数であるとは、
すべての
に対して
が成り立つこと。
ただし、左辺か右辺の一方が定義されない場合は、
両辺ともに定義されない状態であることとし、
その意味で等号が成立すると見る。
実数全体から離散的な点を除いて定義された関数 が
周期
(
) を持つ周期関数であるとは、
ある離散的な集合外のすべての
に対して
が成り立つこと。
ただし、前者の「離散的」な集合と後者の「離散的」な集合は
一致する必要はない (後者が前者を含む)。
定義 2 と定義 3 は同値ではなく、
定義 2 の意味の周期関数は、
定義 3 でも周期関数となるが、
定義 3 の意味の周期関数は、
定義 2 では周期関数となるとは限らない。
例えば に対して
でのみ 0 と定義し改変した関数は
定義 3 は満たすが、定義 2 は
満たさない。
当然定義 1 の方が、 定義 2、定義 3 よりも 課する条件が強いので、定義 1 の意味の周期関数は、 定義 2、定義 3 でも 周期関数となる。
また、[イ] の不連続点の扱いについては、 定義 2 のようにその点では不連続という状態が 同じとみたり、 定義 3 のようにその点を除外して定義する という手がある。
実数全体から離散的な点を除いて定義された区分的に連続な関数 が
周期
(
) を持つ周期関数であるとは、
すべての
に対して
が成り立つこと。
ただし、不連続点では両辺ともに不連続、という状態であることとし、
その意味で等号が成立すると見る。
実数全体から離散的な点を除いて定義された区分的に連続な関数 が
周期
(
) を持つ周期関数であるとは、
ある離散的な集合外のすべての
に対して
が成り立つこと。
ただし、前者の「離散的」な集合と後者の「離散的」な集合は
一致する必要はない (後者が前者を含む)。
なお、ルベーグ積分で考える場合は、
いっそ「0 集合を除いて が成立」としてしまうのが楽であるが、
それは本稿の範囲を越えるので省略する。
竹野茂治@新潟工科大学