1 時間の間にある事象が独立にいくつか起きるときに、 その事象の起きる回数実際、講義ではこれを証明なしに認めた上で、 ポアソン分布の裏が指数分布となることを簡単に紹介した。がポアソン分布
に 従うとすると、
時間 (
) にその事象が起きる回数
は、
に 従う。
本節では、これをいくつかの段階に分けて示していく。
まず、求めるべき
の従う分布を
と書くことにする。
目標は、
を示すことである。
が正の整数
の場合、最初の 1 時間に起きる回数を
,
次の 1 時間に起きる回数を
, ...,
最後の 1 時間に起きる回数を
とすれば、
時間で起きる回数は
となるので、
の独立性と、
2 節の例 4 より
の場合には
が成り立つ。
次は、
の有理数の場合を考える。
この場合は、逆に
を
回繰り返せば
時間の回数となるので、
が成り立つ。
最後は実数 (無理数)
の場合であるが、
に対しては、当然
時間に起きる回数よりも
時間に起きる回数の方が多いので、
時間に
回以上起きる確率よりも、
時間に
回以上起きる確率の方が多くなる。
なお、「
時間に丁度
回起きる確率よりも、
時間に丁度
回起きる確率の方が多くなる」とは言えない。
よって、
と 0 以上の任意の整数
に対して
,
を有理数
,
に取り、
とすると、
,
となるので、
,
, すなわち
有理数の値を取りながら
に近付けていくと、
を
に置きかえたものになり、
よってはさみうちの原理により
と順番に代入していけば、
すべての
に対して
となることがわかる。
よって、すべての正の実数
に対して、
となる
ことが言えたことになる。
竹野茂治@新潟工科大学