を、標本空間
と、
その上の確率関数
をセットにして、
のように表す。
なお、
としては、基本的に
を考える。
離散確率分布
,
のたたみこみを紹介する。
確率変数
,
が独立であるとみて、その和
を考える。
独立なので、2 次元確率関数
は
となり、
その写像
として
が定まるが ([1])、
この
の確率関数
は、
と
の独立性より、

このように、2 つの確率分布
,
に対して、
を確率関数とする確率分布を
,
の
「たたみこみ」といい、
と書く。
なお、
の値は当然 0 以上であり、

は Z
上の確率関数となる。
たたみこみ
は、上に見たように
,
に従う
独立な確率変数の和が従う確率分布、となる。
たたみこみに関しては、以下が成り立つ。
上の確率関数
,
に対して、
のとき、
となる Z
上の関数
が一意に決定する (が、確率関数になるとは限らない)
証明
1.
とすると、
2.

3.
なので、
より
は
と
一意に決定する。
また、
が
まで決定したとすると、
も一意に決定するから、
が一意に決定することになる。
ただし、
の値が負にならないとは言えないので、
が確率関数になるとは限らない。
この命題 1 の 2. より、
(
) に対するたたみこみ
を考えることもできる。
これは、順にたたみこんだものであるが、

が独立であるとみたときの
が
に等しい確率になるので、
はこの和の確率分布となる。
また、この
がすべて
に等しい場合は、
それを本稿では
と書くことにする。
命題 1 の 3. と同様、これに対しても
次が成り立つ。
Z
上の確率関数
と
に対して、
のとき、
となる Z
上の関数
が一意に決定する (が、確率関数になるとは限らない)
証明
より、
であれば
と
一意に
が決定する。
また、
が
まで決定したとすると、
は、
が一意に決定する。
ただし、
の値が負にならないとは言えないので、
が確率関数になるとは限らない。
ここで、たたみこみの例を 2,3 紹介する。
2 項分布
のたたみこみを計算する。
2 項分布
の確率関数を
, または
では
とする。

個の玉のうち、
個が白玉、
個が赤玉であるときに
それを 1 列に並べたときの並べかえの個数
個と後の
個に分けて
考えると、その並び換えの総数は、最初の
個に
個の白玉が含まれ、
後の
個に
個の白玉が含まれるときの組み合わせの総数を、
に関して加えたものになっているからである。
よって、
となることがわかる。
一般に、
ポアソン分布
のたたみこみを計算する。
ポアソン分布
の確率関数を

がわかる。
一般に、
竹野茂治@新潟工科大学