そこで、部分分数分解の原理として、私は例年次の定理、 そしてそこから得らえる系を紹介している。
整式 ,
が
(
は、整式
の次数を意味する)
のとき、
で整式
,
が互いに素ならば、
整式 ,
が
のとき、
で、
整式
,
, ...,
がどの 2 つも互いに素ならば、
なお、2 つの整式 ,
が 互いに素 であるとは、
1 次以上の共通因子 (
,
の両方を割り切る整式) が
存在しないことを意味する。
講義では、証明なしでこの定理を紹介しているだけだったので、 ここにその証明を簡単にまとめておくこととする。
なお、以下は実数係数の整式 (多項式) を考えることとするが、 有理数係数の整式に限定しても、あるいは複素数係数の整式に広げても 同じ論法が使える。