3 転置行列
定理 2
転置行列
に対して、
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(4) |
この定理の証明は、次のように帰納法を使って証明される。
のときは明らかに成立する。
よって、
次、
次に対しては成り立つとして、
次の場合に成り立つことを証明する
。
定義 (1) より、
となるが、
は
「
から
行目、
列目を取り除いた行列の行列式」
なので、よって
「
から
行目、
列目を取り除いた行列を転置したものの行列式」
となり、これは
次の行列式であるから、
帰納法の仮定により、転置したものの行列式は転置する前の行列の行列式に等しい。
よって、
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(5) |
となることが言える。
よって、
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(6) |
となる1。
この (6) の 2 番目以降の
(
)
は、
の 1 行目と
列目を取り除いた行列式であり、
その行列式の 1 列目は、
の 1 列目の 2 行目以下の成分に等しい。
よって、
を 1 列目で展開すると、
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(7) |
となる。ここで、
は、
から
行目と
列目、
および (
の)
行目と
列目を取り除いた
次の行列式を
表すものとする。
一方で
に対し (5) より
であり、この右辺の行列式を 1 列目で展開すれば、
これは (6) で見たように
を 1 行目で展開した式となるが、
より
の 1 行目は
の 1 行目の
2 列目以降の成分に等しいので、
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(8) |
となる。
明らかに
であるので
よって、(6), (7), (8)
と行列式の定義より、

となる。
竹野茂治@新潟工科大学
2006年12月8日