また、三角関数の射影による部分や、対数グラフの長さの変化の部分では、 厳密には短い長さの変化の「極限」を見ていることになるので、 極限を全く使っていないわけではない。
ただ、例えば三角関数の微分の説明は、 割と直感的にわかるようなものなので、 それなりに意味はあるのではないかと思う。 これは後半の方は早くに考えていたのであるが、 4 節でも述べたように 紙を丸めてグラフを作り直すという考えを [2] で 見つけてから今回の方法を思いついた。
しかし、特に巾乗は極限を用いれば、,
は二項定理により
簡単に導関数が導けるのであるが、
極限を用いないと本稿で見たようにそれほど易しくはない。
積の微分が使えればまだなんとかなるが、
今のところ、5 節の両対数グラフを使う以外には
あまりいい方法を思いついていない。
に対する
を
として、
に対する性質を導いて、そこから
を求める、
という方法もなくはないが、かなり遠回りになる気がする。
今後は、積や合成関数などの微分の公式や、 積分についても同様のことができないか考えたい。
竹野茂治@新潟工科大学