まず最初に、(3) の右辺の極限が
すべての実数 に対して存在することを示すが、
そのために、次の定理を用いる。
実数列 が単調増加 (
) で、
かつ上に有界、すなわちすべての
に対して
となるような
有限な実数
が取れるとき、
は有限な極限値
を持つ:
これは、実数論 (実数の定義) とも深く関わっていて、 簡単に証明できる定理ではないので (例えば [1] 第 2 章)、 ここではこれが成り立つことを認めることとする。
以後
は
次式、
は
次式であるが、
まずその各
次 (
) の係数を比較する。
2 項定理より、
の
の係数
は
そして、 の方には、
次の正の項
次は、 を固定したときに
が
に関して上に有界で
あることを示す。まず、
に対して、
今、固定した に対して、
となる自然数
を一つ取って
固定する。このとき、
となる
に対して、
となるような有限な値
が取れることを示す。
なお、 は
,
で表される式となるが、
,
は固定しているため
には無関係な値となるので、
これで
に対しては
は上に有界であることがわかり、
,
,
, ...
の中の最大値を
とすれば、
も
には無関係で、
かつすべての
に対して
が成り立つことになる。
これで、
を固定すれば
はすべての
に対して
上に有界であることが示されることになる。
よって以後
の場合のみを考える。
まず、(8) より、
ゆえに、定理 1 により、 に対しては、
(3) の右辺が収束することが示されたことになる。
のときは、(3) の右辺は当然収束し 1 となる。
よって、あとは
の場合を考えればよい。
(
) とすると、
この定理 2 の成立も認めることとする (詳しくは [1] 第 1 章)。
である
を考えると、
なので、
極限の話なので、あるところから先の のみを考えればよいが、
より
であり、また
なので、
あるところから先の
に対しては
で
あるとしてよい (厳密には、[1] 等の極限の定義による)。
このとき、
より
まず、 ならば
より (15) は成立する。
のときは、
より、
とすると
であり、
よって
に対して
最後に、 の場合は、
とすれば
で、
命題 3 を不等式 (11) に適用する。 (11) の右辺は
(10) に戻ると、
結局 (10) の極限は
となるので、
よって、(9) より
また、上の の収束性の議論を少し一般化させると、
次が成り立つことを示すことができる。
である
に対し、
竹野茂治@新潟工科大学