まず、定理 2 の (22) は
の不等式の方だけ考えれば良いことを先に示す。
に対して、
速度の符号を反対にしたものを
のように
書くことにする。このとき、容易に
のときは、
等より
であり、
(17) より
も
いえるので、
よって、もし定理 2 の (22) の
に
関する不等式が成り立てば、
それを
に
適用すると
に関する不等式が
得られる。よって以後
の方のみ考える。
は、
,
が領域
を
動く 4 変数関数と見ることができるが、
まずは一方を固定して 2 変数関数として考える。
以後、
とし、
,
,
を
や
等に代入したものを、
それぞれ
,
,
,
,
,
のようにも書くこととする。
まず、
を固定し、
を
に
関する 2 変数関数とみて、その停留点を求めてみる。
![\begin{eqnarray*}\nabla_U w(U)
&=&
\left(\frac{\partial w}{\partial \rho}, \f...
...R\lambda_2^R & \mu - \lambda_1^R-\lambda_2^R
\end{array} \right]\end{eqnarray*}](img205.png)

の
に関する停留点があるとすると、
そこで
,
が 2 次方程式
の解
であることを意味し、よって
なので、これらはいずれも成立しない。
つまり、
に関する停留点は存在しない。
よって、
を動かした場合、
はその最大値を
領域
の内部で取ることはない。
同様に
を固定して
に関する停留点を考えると、

を動かした場合の停留点も存在しない。
よって、
は
に関する最大値を領域
の
内部では取らない。
これらにより、4 変数関数
の最大値は、
,
の両方が領域
の境界上にあるときに
取ることがわかる。
竹野茂治@新潟工科大学