6 関数の決定
本節で、任意の正数
に対して条件 II を満たす正数
が存在する
ような関数
を決定する。
まず、
の任意性から、1 ではない正数
,
に対して、
0 でない実数
,
が存在して、任意の
に対して
(14)
が成り立つ。よって、(9) より、
(15)
と書け、
は周期
を、
は周期
を持つ
連続な周期関数となる。 よって、
(16)
となるが、
,
は連続な周期関数なので有界で、
ならば
を考えれば (18) は
, そして
が恒等的に 0 でなければならず、
よって
となってしまう。
の場合も
を考えれば
,
が恒等的に 0 となり
しかありえないので、
よって
すなわち
(17)
となり、そして (18) より任意の
に対し
(18)
が成り立つことになる。(17) より、
よって
(19)
となるので、
の任意性より、この右辺が無理数に
なるように
,
を選ぶことができ、その場合
は
無理数になり、(18) より
は周期
,
を
持つので、補題 2 より
は定数となる。
よって、(15) より
は
(20)
の形になることがわかる。
このとき
は、(5), (7) より、
となるので、結局、任意の正数
に対して条件 I を満たす
正数
が存在するような関数は、
2 節で紹介した巾乗 (の定数倍) しか存在しないことになる。
竹野茂治@新潟工科大学
2023-07-24