3.4 平均に関する命題の証明
前節の平均に関する命題
を示す。
まず仮定と結論を明示する。
命題 1
が
次元密度関数、
は
が
上可積分、すなわち
(37)
を満たし、かつすべての
に対し
(38)
であるとする。また、
の分布関数
(39)
の導関数を
(
) とする。
このとき、
は
上可積分、すなわち
(40)
で、
(41)
が成り立つ。
証明
正数
を任意に取る。また、
に対して
(42)
とする。
の範囲を
幅の区間
(
) に分けると、
に対して
(43)
が成り立つので (両辺は
幅の階段関数)、
より、
この左辺を
倍して
で積分したものを
,
右辺を
倍して
で積分したものを
とすると
(44)
となる。
の積分を分けて変形すると、
と下から評価される。同様にして、
は
と上から評価される。
よって、(44) より
となる。仮定 (37) より
この右辺は有限値なので、(44) より
(46)
が得られ、また
は任意なので、
と
すれば (45) より
(47)
が得られる。
に対しても同様に、
(48)
となるので、
に対して
(49)
となり、
となるので、
の場合同様、
仮定 (37) と
の評価より
(50)
が得られ、
により
(51)
が得られる。
よって、(46),(50) より (40) が、
(47), (51) より
(41) が得られる。
なお、この証明と同じ手法により、任意の
に対して
(52)
が成り立つこともわかる。
竹野茂治@新潟工科大学
2022-07-28