講義では、以下のような関数は合成関数とは見られないと例示した。
例えば、
と置いても
となって
が
残ってしまうため、これは合成関数にはならない。
合成関数であるためには、
は
だけの関数でなければいけない。
では、この関数は微分できないかと言えば、そうではなく、積の微分などと 組み合わせればちゃんと微分できる。 つまり、
の積と見て、積の微分を先に適用すればよい。
まず、
と置くと
となる。ここで、
は
を変数とする関数
であることに注意する。積の微分により、
となる。次にこの
を求める。
は (6) より合成関数で、
とすれば
なので、合成関数の微分により、
同様に、
も、
では
に
が残るので単純な合成関数ではないが、
合成関数が含まれる商と見ることで微分ができる。
とすれば、
は合成関数で
なので、
まず商の微分により、
となる。次は
を求める。
とすれば
より、
さらに、合成関数と合成関数の組み合わせもありうる。 例えば、
のような場合である。これも単純な合成関数ではなく、
では、
は
のみの関数にはならない。
この場合は、
と置くと、
となり、
は難しくない。
ただし、
がまだ簡単には求まる形ではないが、
とすると、
で、
が合成関数なので、
は別に合成関数の微分で求めることができる。
外側から順番に計算すると、合成関数の微分により
となる。
は、
とすると
より

竹野茂治@新潟工科大学