回微分して元に戻る関数を考えてみる。
これまでの、1 回から 4 回微分して元に戻る関数の結果をまとめると、
以下の通り。
の形に書いて、
その多項式
とこれらの解を見比べると、
いくつかの性質が予想される。
が
次式ならば
は、
と因数分解され、
,
ならば
。
と因数分解される場合、
となる任意の
に対し、
,
,
かつ
となる
,
が存在する。
と
が互いに素、
すなわち定数以外の公約多項式を持たないことが必要であり、
逆に
と
が互いに素であれば 3. は成立する (証明は易しくない)。
よって、
を互いに素なものに因数分解し、
となる
を求めて
となる
はそれらすべての和
の場合は、
となる
、すなわち (4) と、
となる
、すなわち (12) を加えた
ものが
、すなわち (9) の形になる。
だから、3. の事実を使ってよいなら前節までの議論はだいぶ易しくなる (が、
3. 自体の証明は易しくない)。
(14) から (18) までの方程式の、
という代数方程式の解を書いてみると、

ならば
で、
の解が
(虚数) ならば、
と同じようにして、
5. は (3) から
を求めたときと
同じようにすれば示すことができる。
実数係数の
次代数方程式は、代数学の基本定理により、
実数係数の 1 次式か 2 次式のみの積の形に因数分解できることが
知られているので、
が重解を持たなければ、
これらの性質を組み合わせることで
のすべての解が
得られることになる。ただし、重解を持つ場合は少し面倒である。
さて、
回の微分で元に戻る
は、
は
で、
が奇数の場合、(19) のうち
実数解は
(
) のみ、あとはすべて虚数解で、
のものと
のものが共役な解である (
)。
よって、この場合
は、4., 5. の線形結合
が偶数の場合、(19) のうち
実数解は
(
) と
(
) の 2 つで、
と
のものが共役な解となる (
)。
よって、この場合
は、
とすれば、
竹野茂治@新潟工科大学