3 三角関数に逆三角関数を代入
まずは、三角関数に逆三角関数を代入した合成関数を考える。
三角関数は
, 逆三角関数は
を使うとすると、
全部で 9 種類あることになる。
まず次の 3 つは定義より容易にわかる。
(5)
厳密に言えば、定義からは、例えば
となるのだが、
の値域である
上では
なので、
(5) の 1 つ目が成り立つ、という具合である。
他の 2 つも同様であるが、だからこの逆の
は一般には成立しない。それがどうなるかについては、次節で紹介する。
次は、外側と内側が違う三角関数である場合のものを紹介する。
まずは内側がアークサインのもの。
(6)
この 2 つは、[2] で紹介した、
と (5) を組み合わせれば容易に得られる。
なお、
の
の部分に関しては、
と (4) を用いれば、
より、
となって、この場合も成立することがわかる。
次は内側がアークコサインのもの。
(7)
この 2 つは、[2] で紹介した、
と (5) を組み合わせれば容易に得られる。
なお、いずれも
の場合が欠けているが、
の場合は (4) より
なので
となって (7) の 1 つ目は成り立ち、
2 つ目の方は、
の場合は
となるので、
より (7) の 2 つ目も成り立つことになる。
最後は、内側がアークタンジェントのもの。
(8)
この 2 つは、[2] で紹介した、
と (5) を組み合わせれば容易に得られる。
なお、後者は
の場合が欠けているが、その場合は
となるので
よりこの場合も (8) の 2 つ目は成り立つ。
竹野茂治@新潟工科大学
2025-11-05