を実数全体の集合 (通常
と書く)、
または複素数全体の集合 (通常
と書く) のいずれかとするが、
と考えてもらってさしつかえない。
を
の元を要素とする
行列全体の集合とし、
を
の元を要素とする
次正方行列全体の集合とする。
に内積とそこから自然に決まる長さ (ノルム) を導入する。
,
の
内積
を
を、
長さは以下を満たす。
,
ならば
と
は同値
1., 2., 3. は通常の
次元ベクトルの場合と同じだから省略。
4. も明らか。最後の 5. のみ示す。
,
,
とすると、
が得られる。
(
) の
極限
を、
,
と
書けば、容易に
(
) が コーシー列 であるとは、
の場合、
がコーシー列であることと、
それがある有限な極限値
に収束することは同値となる (証明は省略、実数論と関係する)。
そして、行列の無限列に対しても同じことが言える。
行列の無限列証明(
) がコーシー列であることと、 ある行列
に収束することは同値。
が
に収束すれば、
逆に、
がコーシー列であれば、
の成分も、
に対してコーシー列となり、
よってそれぞれ極限
が存在する。
よって
は
に収束する。
(
) に対する 無限級数
は、
すべての
に対し
で、
となる非負実数列
が
存在するとき、絶対収束する といい、
を
の 優級数 と呼ぶ。
は収束する。
証明
の部分和
が
コーシー列であることを示せばよい。
に対して、
のときに 0 に収束するので、左辺はコーシー列となる。
竹野茂治@新潟工科大学