の 3 次の正方行列について考える。
実はこの場合は
,
が可換でも、
が
の 2 次式で
書けるとは限らない。すなわち容易に反例が作れる。
,
を
となる。
これも実は反例の一つなのであるが、さらに

となる。
しかし、
(および
) は上三角行列なので、
(および
) の
多項式も (さらに言えば
の負のべきも) すべて上三角行列となる。
一方
(および
) は下三角行列なので、
(および
) の多項式で表わされることはない。
の場合も、容易に
の場合と同じ形の反例が作れるので、
結局
では
,
が可換であっても
が
の
多項式で表されるとは限らないことになり、
可換ならば
が
の多項式で表されるのは
の場合のみ、
ということになる。
竹野茂治@新潟工科大学