9 K6 の評価
本節より、
を含む
,
,
を評価
していくが、
の特異性が高いため、
少しこれまでより厄介である。
まず本節は
の評価を考える。
なお、(98) で
の代わりに
を使う形にしたのは、
実は
の形を消す目的もあり、
の
(
) なら評価できるのであるが、
(
) だと特異性が高すぎて評価が難しい。
まず本節では、
を以下の形に変形して考察する。
と分けると、
は
で奇対称なので
その積分は 0 となり、
(119)
となる。
この表現を用いると、
となる、
2 つ目の積分の
は
に取り込むこと
を考えるが、
と その部分の分数式の積は、
分子に合わせて分母に
倍を作って評価する必要があるので、
(120)
の
を取り込む形での変形を行う。
そのために、次の補題を利用する。
補題 7
に対して
,
と書くことにすると、次が成り立つ。
-
-
証明
1.
より
となる。
2.
より、
となる。
,
とすると、
なので、(120) は
補題 7 により以下のように変形できる。
なお、
は最後の項で、
それ以外の和を
とする。
このとき
は、
と評価され、この右辺は
の
関数なので、
これで
に関する積分の部分はまかなえることになる。
の積分は
でまかなえばよいので、
これで
のうち
の項を持つ
積分
(
と
,
の積の積分) は
一様有界となる。
の残りの部分
(
と
,
の積の積分) には
が含まれるが、
これは置換積分で
を消す。すなわち
により、
とすれば、
は有界なので、
となり、よって
も一様有界となる。
これで、
,
, そして
が
一様有界となることが示された。
のときの極限は、
で、また
であり、
なので、
となるから、
に対して
となり、
よって
より Lebesgue 収束定理により
となる。
は、
となるので、Lebesgue 収束定理により
となり、よって
(121)
となる。
竹野茂治@新潟工科大学
2023-04-03