これは、
の間違いの問題とは関係ないが、
ついでにきれいな定積分の関係式
 |
(3) |
も図形的に説明できないかと考えた。
これは、
のグラフの下の部分の面積を指している (図 6)。
図 6:
の定積分
|
式 (3) が成り立つことは、
もちろん不定積分を計算すれば容易にわかるが、
ここでは不定積分を利用せず、それを図形的に説明することを考える。
この面積は、横幅を
等分して、その分点を
:
とするとき、
が大きければこの面積は
短冊状の長方形の面積の和で近似できる (区分求積法、図 7):
 |
(4) |
この、
であるが、
図 4 の
は、
(2) より
となるので、
図 2 の
の部分の絶対値である
軸上の横幅が、この一つ一つの短冊の面積に相当することになる。
よって、
への分割を図 8 のように
円の中心角の分割に置き直して考えれば、
の定積分 (面積) を
から加えていくのは、
図 8 の各角度に対する
軸上の幅を U から S まで
加えていくことに対応する。
よって、
の
から
までの積分は、
単位円の
軸の右端の 1 のところから、
軸の左端の 0 のところまでの横幅を求めることに対応する。
ゆえにその積分は 1 となる。
同様に、図 4
の代わりに
で考えれば、
より
の定積分が
軸上の幅に対応するので、
の定積分は図 8 O から T までの幅を
考えていくことに対応し、結局
がわかる。
今の議論を、
まで伸ばさずに途中で止めて、
から
までの定積分を考えれば
よりはっきりするが (図 9)、
これまでの考察より
が得られることになる。
さらについでに、図 2 の、
底辺が
で高さが
(= Q の
座標) の縦長の長方形の面積を考えれば、
この長方形の面積は
になるので、その和は
の定積分に相当し、
それはこのような長方形の和である円の一部分の面積に対応する (図 8 の網掛け部分)。よって、

となる。
実際、不定積分を用いて計算すれば、
となり、上の結果に等しいことがわかる。
これ以外にも、図形で説明できる同種の定積分が隠れているかもしれない。
竹野茂治@新潟工科大学
2014年7月2日