3.6 ラグランジュ座標系の理想気体の場合の例
次に、2.6 節のラグランジュ座標系での方程式系
(2.19) に対して、同様の考察を行う。
ここでは、(2.19) は
は外して、
また
も
と書くことにする。
まず、(2.19) を
に関する
準線形の方程式系に書き直す。
であるから、
最後のエネルギー保存の方程式は、
となるので、結局この場合は、
となる。
より、固有値は
固有ベクトルは
ととればよいので、
となる。
,
より、
となり、2-特性方向は線形退化、
 |
(3.42) |
なので、1-特性方向、3-特性方向は真性非線形となる。
リーマン不変量は、2-リーマン不変量は
より
,
が 2-リーマン不変量で、1-リーマン不変量は、
より、常微分方程式
を解くと、
,
で、
より
となるので、
より、
,
が 1-リーマン不変量、
同様にして 3-リーマン不変量は
,
がそれであることがわかり、
よってリーマン不変量は、ラグランジュ座標とオイラー座標で
不変であることがわかる。
また、
であるので、上の
-リーマン不変量に
を追加すると、
それが相空間
上で
と 1 対 1 に対応する。
このパラメータに関しては、
なので、1-膨張波曲線
は
で得られ、よって、
またはパラメータ表示により、
![\begin{displaymath}
\left\{\begin{array}{l}
v=v_0e^s,\\
\displaystyle u=u_0-...
...]
P=P_0e^{-\gamma s}
\end{array}\right. \hspace{1zw}(s\geq 0)\end{displaymath}](img427.png) |
(3.43) |
と表され、1-膨張波曲線
は、
またはパラメータ表示により、
![\begin{displaymath}
\left\{\begin{array}{l}
v=v_0e^s,\\ [.5zh]
\displaystyle ...
...]
P=P_0e^{-\gamma s}
\end{array}\right. \hspace{1zw}(s\leq 0)\end{displaymath}](img429.png) |
(3.44) |
と表される。
この
に対しては
、
に対しては
とすれば、いずれの場合も
で、
を満たす。
また、膨張波解を
で表わすために、
(3.24) (
)
を
に代入すれば、
より、
となる。これを (3.24) (
) に代入すれば 1-膨張波が
の式で表される。
この場合は、オイラー座標の場合とは異なり、
は
の一次式とはならない。
3-膨張波の方も、
(3.25) (
) を
に代入すれば、
より、
となり、これを (3.25) (
) に代入すれば 3-膨張波が
の式で表される。
竹野茂治@新潟工科大学
2018-08-01