6 大小の考察
以上により、
はすべて
によって、
と表されることがわかった。
よって、
の場合は
はすべて 0 となることになる。
さて、通常のくじでは、あたりの確率
はかなり小さく (
)、
代わりにあたりの賞金
が参加料
に比べて大きい (
)。
そして、くじの主催者が損をしないように
と設定されているだろう。
この条件の元で
の大小を考えてみることにする。
そのために、各
の
の係数を
とし、
その
を比較することにする (
)。
,
より明らかに
であり、また
より
であるので、
となる。また、

も言える。
次に
と
を比較してみる。

となるので、
として、この
の符号を考える。
ならば、
となる。
のときは、
より、
(
) で
となり、
なので、
,
より、
のグラフは
図 1 のようになる。
図 1:
のグラフ
|
|
よって、
は零点
で符号が分かれ、
となる。
次に、この
の零点である
の大きさについて考えてみる。
より、
なので、まず
であることがわかる。
より、
となるので、次に関数
を調べてみる。ロピタルの定理より、
であり、
となっている。導関数は、
となるが、この分母は
で正なので、分子を
とすると、

であり、
なので、
で
となる。
よって、
で
であり、
のグラフは図 2 のようになる。
図 2:
のグラフ
|
|
であるから、
よって
は
に関して単調に減少し、
となること、
そして
で一番大きいのは
であることもわかる。
次に、この
を求めてみる。
なので、
より
となる。
よって
であれば、
すべての
に対して
となるので
であり、
となる。
結局、
のときは、
であれば、
となる。ここで、
と
は独立な値なので、
を変えることでその大小は変わりうる。
また、
のときは、
なので、
となる。
結局、今回の仮定の元 (
,
) では、
であることになり、これらの中で一番損をしないのは
、
すなわち「はずれるまでやり、
回でやめる」であることがわかる。
そして、
は
に関して単調減少であるから、
のときが最も大きい、すなわち 1 回だけやってやめる
(
) のが最も損をしない、ということになる。
竹野茂治@新潟工科大学
2007年4月28日