まず、(15) の に対する方程式
では (17) は
でも収束するので、
は
で定義された関数となる。
その
での値
証明
1. は容易。
2. は、
3. は、Lebesgue 単調収束定理から容易に示される。
この命題 1 より、 のグラフは
のグラフと同様の形となることがわかる。
そして、この
の逆関数
しかし、この は、
今のところ定義域が
、
値域が
の単調増加な連続関数であるが、
それに対し楕円関数
は、
本来この
の定義域を後で述べるように
実数全体に拡張した周期関数を指す。
本稿では、拡張前の逆関数と、それを拡張した楕円関数を区別して書くこととし、
の記号はあえて用いないこととする。
証明
1. 平均値の定理より、
,
なる各
に対し
2. まず が奇関数であることを示す。
のときは、
なので、
のときは、
より、
次は 級についてであるが、
は奇関数で周期
なので、
導関数の連続性については
のところだけを考えればよい。
では
、
では
で、
は偶関数なので、
では
、
では
で、
は奇関数なので、
3. 連続性は容易。奇関数であることは、
の
ときは、
より
の逆関数
は、
に関して単調増加な奇関数で、
命題 1 の 3. により
となる。
これは
の
でのグラフに似た形となる。
そして、この を、補題 2 の 2. により
周期関数に拡張した
が、
いわゆる楕円関数
である。
よって、
が
級であることを示すには、
あとは
が有限な値であることを示せばよい。
さて、II の (15) の解に戻る。
特異解 以外の解は、
特に、
のときは、
より、
となることが Lebesgue 単調収束定理より示される。
それは、次節の III の
の場合に対応する。
なお、 に対する解の周期と、
に対する解の周期の比
1.017 | 1.040 | 1.073 | 1.180 | 1.373 | 1.528 | 1.762 |
なお、最近の gnuplot には完全楕円関数が実装されていて、 上の値はそれで計算したものである。
竹野茂治@新潟工科大学