本稿では、連続確率分布
を、標本空間
と、
分布関数
をセットにして、
のように表す。
密度関数
は
である。
この場合も、独立な確率変数の和の分布で考える。
,
のとき、
を独立として
考えた 2 次元確率変数
の分布関数は
で、
密度関数は
となる (
,
)。
よって、
は、以下の
を分布関数とする確率変数となる。
の密度関数は、これを
で微分した
となる。
逆に、
,
から (5) によって
作った
(
と書く) を密度関数とするような
連続確率分布を、
と
の「たたみこみ」と呼び、
と書く。
なお、
,
で
なので
で、

はある連続分布の密度関数となる。
また、(4) より、
となるが、
これは次の命題 5 により
とも書ける。
証明
1.
2.

この命題 5 より、離散の場合同様、
(
) に対するたたみこみ
を考えることもできる。

に関して
から
まで積分すると、

を独立と見た場合の
の分布関数にほかならない。よって、
はその
の密度関数となる。
離散の場合と同様に、
がすべて
に等しい場合、
本稿では
の
重のたたみこみを
と書く。
階導関数ではないので注意すること。
正規分布
のたたみこみを計算する。
正規分布
の密度関数を、
,
とすると、

に対し、

の分布であるから、
これは丁度 [2] の考察に対応する。
指数分布
のたたみこみを計算する。
の密度関数
は (3) の
形なので、
なら
であり、
なら

なら
なら
は、
では 1、
では 0 となる
関数とする。
これらはいずれも指数分布とは別の分布となる。
については、
については上の結果より成立する。
まで成り立つとすると (
)、
に対し、

でも成立する。
ちなみに、

が確かにある分布の密度関数であることがわかるが、
これを密度関数として持つ分布はガンマ分布
と呼ばれる。
よって、
となる。
竹野茂治@新潟工科大学