4 チェビシェフの不等式の分散への適用
本節では、チェビシェフの不等式を利用して、
不偏分散と標本分散の母分散への一致性を、
不偏分散の極限を考えることに帰着させる。
まず、
に対してチェビシェフの不等式を適用すると、
(6) より、
が言えるので、よって、もし
![\begin{displaymath}
\lim_{n\rightarrow\infty}V[V_1]=0\end{displaymath}](img55.gif) |
(7) |
であれば、
の
に対する一致性が言えることになる。
また、
に対しては、
(6) より、チェビシェフの不等式は
![\begin{displaymath}
P\left(\left\vert V_2-\frac{n-1}{n}\sigma^2\right\vert>k\right)
\leq\frac{1}{k^2}V[V_2]\end{displaymath}](img56.gif) |
(8) |
となるが、
(
は任意の正数) のとき、
であり、また、
なので、(8) より、
となることがわかる。
よって、この場合も、(7) が言えれば、
が言えることになるので、
結局
,
の
に対する一致性は、
(7) を示せばよいことになる。
なお、(7) を示すために、
今後
は、
に対して「有限である」
と仮定する。
竹野茂治@新潟工科大学
2013年7月4日