を定義する。
に対し、
を、
の無限級数で定義する。ただし、この定義は、(
でも) とする。
のマクローリン展開を行列に拡張したものになっているが、
(1) の具体的な計算にも
のマクローリン展開が
用いられる。
より、
に対して
が
成り立ち、
に対しては、
に対し常に絶対収束し、
は正しく定義されることになる。
なお、
には別の表現式 (別の定義) もある。それは、
に対する
に対応する。
なお、余談だが、(4) は実数の
だけでなく
複素数に対しても成立し、すなわち
となることが言え、
いわゆる「オイラーの公式」の別な「証明」(根拠) にもなっている (cf. [3])。
定理 3.2
に対して (3) が成り立つ。
証明
(3) の右辺のカッコの式の
乗を展開して
は、
に対して、
に対しては、
となる。
なお、(7) の最後の式で
とすると、
積に
が含まれるので 0 となり、
よってそれをもって
に対して
と定める。
このとき、
や、
が
に
関して増加、
に関して減少であること、および固定した
に対して
により、
(6) は
と無限級数としても表現されることになるが、
これは (2) が優級数になっているので絶対収束する。
この (8) の
に関する極限が
であることを示す。
となるが、この (9) の最後の右辺を
と
書くことにすると、
を示せばよい。
大きな自然数
に対し、

とすれば、
左辺は極限が存在するとは (まだ) 限らないが、
より
が成り立つ (左辺は上極限)。
は任意で、左辺は
によらないので、
とすれば (10) の右辺
は 0 に収束し、よって左辺の上極限は 0 となり、
より
が示されたことになる。
竹野茂治@新潟工科大学