の積分について紹介する。
簡単なものは既に計算しているが、本稿ではより一般の
について考える。
通常の関数からの類推で、
となることが容易に予想されると思う。実際、
が正則であれば、
は
が正則ではない場合も存在し、
そして積分もできるので、その場合どうなるかも考えてみる。
ジョルダン標準形による表現 (15) より、
なので、
ジョルダン細胞
が正則であることは
と
同値であり、その場合は
が存在し、
(38) により
をここで求めておく。
証明
(39) の右辺を
とすると、
より、

よって、
のときは、
の積分は、


一方
の場合は、
の多項式になるのでむしろ積分は容易で、
の逆行列では表現できないが、
これをあえて
の場合の形に近い、
は

とすると、

実際は、
を求めてからそれを
に
かけることは、むしろ直接積分を計算するより面倒なので特に意味はないが、
これを使えば一応統一的に
とある行列の積の形にすることができる。
例えば、
として、
のジョルダン標準形が、
![\begin{eqnarray*}\int e^{Jt}dt
&=&
\left[\begin{array}{cc}J(\lambda,k_1)^{-1}...
...\raisebox{0ex}{\Large$0$}& -L_1(k_2,-t)\end{array}\right]e^{Jt}+C\end{eqnarray*}](img472.png)
![\begin{eqnarray*}\int e^{At}dt
&=&
Q\left[\begin{array}{cc}J(\lambda,k_1)^{-1}...
..._2,-t)\end{array}\right]Q^{-1}e^{At}+C
\ =\
\hat{A}(t)e^{At}+C\end{eqnarray*}](img473.png)
は定数ではなく、
0 の固有値の部分は
の多項式を含むところが異なる。
より一般のジョルダン標準形の場合も同様である。
竹野茂治@新潟工科大学