2 2 次の場合
まず
の 2 次の正方行列の場合を考えてみる。
とすると、
なので、
と
が可換であることは、
が成り立つことと同値となる。
これを場合分けして考えていくが、本節の目標は、
が
の 1 次式
(4)
の形で表されるかどうかを示すことである。
かつ
の場合
この場合、(2) より
(5)
となり、
よって (1), (5) より
(6)
となり
,
を
,
で表せる。
そして (6) が (3) が
得られるので、
この場合は (5), (6) を
満たすことが
と
が可換であることと同値となる。
そして、この場合
は、
となって確かに
が
の 1 次式 (4) の
形になることがわかる。
かつ
の場合
この場合 (1), (2), (3) は
となる。
なので、(8) より
(10)
となり、(9) は自然に成り立つ。
よってこの場合は、
(7) と (10) が
可換の条件となる。
この場合、
であり、
は (7), (10) より、
なので、やはり (4) の形となる。
かつ
の場合
この場合は (2) より
(11)
となり、また (1) は両辺 0 になり、
(3) は
(12)
となるので、この (11), (12) が
可換の条件となる。この場合
は、
で、
は、(11), (12) より
となり (4) の形となる。
かつ
の場合
この場合、(1) より
となるが、
だと
,
より
となって仮定に反する。
よって
で、
(13)
となり、(2) は両辺 0 になり、
また (3) は
より
(14)
となる。この (13), (14) が
可換の条件となる。この場合、
で
, (13), (14) より、
となり (4) の形となる。
以上をまとめると、
で
,
の場合は、
確かに
,
が可換になるのは
が
の 1 次式の場合である
ことが示されたことになる。
竹野茂治@新潟工科大学
2022-05-09