今、例えば初期値 自体が Riemann 問題の初期値
(1.2) の形であり、
しかも
、
すなわちこの
に対する解が単なる
-衝撃波
(3.27)
Glimm 差分でこの に対する近似解を作ってみよう。
もちろん
である。
もし、,
,...が何でもよいならば、
例えばそれを全部 0 にしてみるとどうなるであろうか。
まず、 では、
つまり、,
の段差は、
この近似解では
毎に
ずつ右にずれてしまうので、
の極限では、
段差は
これは、 でなくても、常に
逆に、 を常に
よって、正しく で段差ができるようにするには
「適当に」
を散らす必要があり、
そこで確率を用いるわけである。
例えば が
内の一様な確率変数であるとすると、
での
の決定において、
である確率
は
(3.28)
(3.29)
よって、(3.7), (3.8) により、
が
を一様に変化する場合の
での
段差の位置
の平均値 (期待値)
は、
もちろん、 では、
段差の位置は実際には
か
のいずれかにしか
ならないのであるが、
,
,...の一様な確率変数により、
その段差は
の周辺に集まることになり、
平均的に
を再現することになる (図 3.5)。
これにより、
によって正しい解
(3.6) が得られるのである。
このように、階段関数を作るときの代表値の位置は、 確率的に一様に散らして取ることが必要であることになる。
竹野茂治@新潟工科大学