DiPerna ([5]) は、
(43)
となるようにしている。 しかし、その議論を見直してみると、以下の式を用いれば,
が有界で、
,
が有界
とすると、
次が成り立つ。
(44)
証明
一般に、Tartar の関係式を満たすようなエントロピー対 ,
(
) に対して、
とするとき、
(45)
[4],[5] でも、
実質的には (44) を用いたような議論はしているのであるが、
直接 (44) を積極的には使っていないために ,
に強い制限が必要になっていて、
特に [4] ではその
の選択がかなり複雑になっている。
本稿では、(44) を積極的に用いることで、
,
には強い制限を与えないような議論を行う。
なお、関係式 (45) は [11] p450 にも見られるが、
Lions ら ([6]) はこれを用いてはおらず、
内エントロピー のみを用い、
そのパラメータを変えたエントロピー対に対する 3 次の行列式
とすると、
は有界で、
に対しては
、
に対しては
となる。
証明
は、
次に、,
の極限を考える。
それには次の補題を用いる。
(
)、
および任意の有界な区間
に対して、次が成り立つ。
証明
1.
と書くことにすれば、
のとき、
ならば
なので 大きい
に対しては
は
のサポートを越えてしまうので
となる。
ならば
なので OK.
2.
,
とすると、
(46)
ならば十分大きい
に対し
となるから、
そのような
に対して
ここまでは ,
に対して、
はすべての
に対して有界で、
(47)
なお、本稿では [4],[5] とはやや異なり、
よりもむしろ
の方を用いる。
竹野茂治@新潟工科大学