閉区間 上の連続関数
は、
その内部で
と
の間のすべての値を、
少なくとも一度は取る。
特に、
であれば (
と
が異符号)、
となるような
(
) が存在する。
これは、連続曲線の始点と終点が直線 の両側にあるとき、
その曲線が必ずその直線と交わる、と見ることもできる。
実際に以下を示すことは容易である。
平面内の連続曲線 の始点と終点が、
同じ平面内の直線
のそれぞれ別の側にあるとき、
と
とは交点を持つ。
ここで、連続曲線とは以下のようなものであると定義する:
,
が閉区間
上の連続関数のとき、
(1)
で表される点の集合と(1) は、曲線の媒介変数表示と呼ばれるが、 曲線 (の点集合) に対して媒介変数表示は一意ではなく、 例えば逆向きの媒介変数表示,
を セットにして考えたものを 連続曲線 と呼び、
を始点、
を終点 と呼ぶ。
連続曲線は、回転しても平行移動しても連続曲線なので、
命題 2 は、
連続曲線と 軸 (
) の関係に直して考えることができ、
結局
に対する中間値の定理によって
命題 2 が成り立つことが示される。
ところが、命題 2 の直線の方もまた連続曲線である場合、 すなわち連続曲線同士の交点の存在となるとどうであろうか。 連続曲線にはペアノ曲線など、かなり複雑なものがあることも知られていて、 例えば Jordan の閉曲線定理のように、 「連続」という仮定しかないような曲線の性質の証明は結構難しい。
本稿では、その連続曲線同士の交点について考察する。
竹野茂治@新潟工科大学