実験のデータ等をグラフに取っていくと、それに何らかの規則があれば、 多少誤差が含まれていてもその様子がぼんやり見えてくるが、 その関係が曲線である場合、それがどんな式にあてはまるのかを 見い出すことは容易ではない (図 5)。
例えばそれが のように
に
比例する関係なのか、
のように
に比例する関係なのかを
目で見極めることは非常に難しいし、
さらにそのデータに誤差が含まれていることを考えると、
それを行なうのは現実的ではない。
しかし、両対数グラフでは、実際の値 と
そのグラフ上の見かけの位置
には、
同様に、 も両対数グラフでは見かけは傾きが 3 の直線、
という反比例関係も両対数グラフでは傾きが
の直線になる (図 6)。
結局 の形の関係は、両対数グラフではすべて直線になり、
その指数部分 (
) はその直線の傾きになるので、
人間の目でもおおまかに知ることは可能になる
(さらに統計的にそれを知るための「相関係数」や「回帰直線」
という道具もある)。
また、自然現象、工学現象では、 のような指数関数の関係が
現れることも多いが、
この場合は、
軸が対数軸である「片対数グラフ」で見ると
その見かけの位置
は、
このように、対数グラフは、
工学や多くの自然現象で現れやすい や
のような関係や、それに基づく誤差を含んだデータの関係を見極めるのに便利である。