その線の単位長さ当たりの質量 (線密度) を とし、
これは場所によらず一定であるとする。
線を両端を点
と
に固定したときにできる曲線を
とする (図 6)。
まず、各点 には、接線方向に左右に張力が働くが、
一点の線の質量は 0 であるから重力は働かないので、
その一点には左右の張力しか働かない。
よって釣り合って静止している線では左右の張力も釣り合っているはずである。
よってその右向きの張力を
とすると、
左向きの張力は
となる。
張力は、曲線
に接するので、接線方向のベクトル
に平行で、
よって、正のあるスカラー関数
を用いて
(54)
次に、 から
の、
短い幅の線の一部分にかかる力の釣り合いを考えると、
この部分には、
(55)
(55) の両辺を で割って、
の極限を考えると、
(56)
(57)
方程式 (57) は 2 階の微分方程式であるから、
その一般解は 2 つの任意定数を持つことになるが、
それは実は次の式で与えられることが知られている (,
が任意定数)。
(58)
合成関数の微分と (11) を用いて (58) を微分すれば、容易に
(58) は、 のグラフを
方向、
方向ともに
倍して平行移動したものであり、
よって
も懸垂線の一つであることになる。
竹野茂治@新潟工科大学