4 グラフを利用する証明
逆関数のグラフ同士は、
に関して対称という関係がある。
これを利用して、逆関数の微分をグラフを用いて考える方法もある。
今度はその方法で、例えば公式 3 から公式 4 を導いてみる。
今、
とし、公式 3 を仮定した上で
この関数の、
での微分係数
を求める。
は、この関数のグラフの
でのグラフの傾きであることに注意する。
図 1:
のグラフ
|
図 2:
のグラフ
|
この関数のグラフの横軸と縦軸を入れ替えると、
のグラフ
になる (図 1)。
先程の点は、そのグラフの
に
対応し、
とすると
で、
となる。
その点での
のグラフの傾きは、公式 3 より、
(6)
となるが、
のグラフと
のグラフは
軸の縦と横を入れ替えたものなので、
のグラフの
での傾き
、
すなわち横方向の
方向に 1 進むときに縦方向の
方向に
上がる
傾きは、
のグラフの
では、
横方向の
方向に
進むときに
縦方向の
方向に 1 上がる傾き
に変わり (図 2)、
それが
に等しいので、よって
となることがわかる。よって、(6) から
となるので公式 4 が得られたことになる。
竹野茂治@新潟工科大学
2022-11-01